環境計量士(濃度)

【分析化学】ICPとは?

ICPとは?

ICPとはInductively Coupled Plasmaの略で
日本語では、「誘導結合プラズマ」といいます。

プラズマとは、空気中の原子や分子が電離して、プラス電荷とマイナス電荷が生じている状態のことです。

 

溶液に含まれている無機元素の測定をすることができます。

 

標準液を調製して、検量線を作成することで
試料溶液中の元素の濃度を求めることができます。

ICP装置の種類

ICP装置にはいくつか種類があります。

  1. ICP発光分光分析装置(ICP-AES)
  2. 水素化物発生ICP発光分光分析法
  3. ICP質量分析装置(ICP-MS)

 

ICPで生じる干渉

ICP分析では、各種の干渉により、測定誤差が生じてしまうことがあります。

 

ICP分析の干渉には以下のようなものがあります。

  • 物理干渉:標準液と試料溶液との粘度の違いにより干渉が生じる
  • 化学干渉:共存物質(試料溶液中に含まれる測定対象物質以外の物質)が測定対象物質の原子化を阻害すること
  • 分光干渉:共存物質と測定対象物質の発光波長が近接していることにより生じる
  • イオン化干渉:NaやK, Caなどのイオン化しやすい元素がイオン化してしまうことで生じる

 

 

問(平成30年12月)

ICP発光分光分析法における干渉とその原因の組み合わせとして、誤っているものを一つ選べ。

   干渉           原因

1 物理干渉     標準液と試料溶液との粘度の違い

2 分光干渉     測定対象元素の波長に近接する分子バンドスペクトル

3 物理干渉     プラズマ内の電子密度の増加

4 イオン化干渉   共存する高濃度のアルカリ金属

5 分光干渉     高濃度で含まれる元素の発光によって増加するバックグラウンド

オーム社「環境計量士試験 濃度・共通 攻略問題集」より引用

 

正解は3です。

プラズマ内の電子密度の増加は、イオン化干渉によるものです。

共存元素のイオン化によってプラズマ内の電子密度が増加し、イオン化率が変化してしまう現象です。

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