環境計量士(濃度)

第71回計量士国家試験問題の正解と解説【環濃 問1~5】

2020年12月に実施された「第71回計量士国家試験問題」の解答と解説になります。

問題文及び解答は経済産業省のHPにある「過去の計量士国家試験問題」から引用しています。

 

解説は私の見解になります。解説が間違っている可能性もありますので、予めご了承ください。

 

どうやって勉強を進めればいいのかわからない方はこちらの記事も読んでみて下さい。

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問1~5の内容は?

「化学分析概論及び濃度の計量」の問1~5の内容は以下の通りです。

  • 問1 イオン電極
  • 問2 濃度計算
  • 問3 ガスクロマトグラフィー
  • 問4 工場排水
  • 問5 吸光光度分析

問1 イオン電極

問1

 以下の表はイオン電極の種類の例を示している。表中の(ア)~(ウ)に入る内容の組合せとして、正しいものを一つ選べ。

 

正解と解説

1 (ア)F (イ)25~30 (ウ)11~13

  

問2 濃度計算

問2

 成分Aの質量濃度が10 mg/Lの水溶液100 mLに、成分Bを質量分率90%で含む試薬を加えて均一な溶液とし、成分Aと成分Bの質量濃度が等しい混合溶液を調製するとき、成分Bを含む試薬の加えるべき質量(mg)として、もっとも近い値を次の中から一つ選べ。ただし、混合前の成分Aの水溶液に成分Bは含まれておらず、また、成分Bを含む試薬に成分Aは含まれていないものとする。さらに、混合により成分Aと成分Bは反応しないものとし、混合前後の体積変化は無視できるものとする。

  1. 0.80
  2. 0.90
  3. 1.0
  4. 1.1
  5. 1.3

 

正解と解説

4 1.1

 

問3 ガスクロマトグラフィー

問3

 「JIS K 0114 ガスクロマトグラフィー通則」に記載されているガスクロマトグラフの使用上の注意点について、誤っているものを一つ選べ。

  1. 広い沸点範囲をもつ試料をガスクロマトグラフに注入しても、注入する試料の組成とカラムに入る試料の組成は常に同じである。
  2. 試料成分濃度が高い場合、カラムによる分離に影響が出ることがある。
  3. 検量線作成では、標準物質及び調製に用いる器具のトレーサビリティが確保されていることが望ましい。
  4. 試料気化室やカラムの汚れ、注入口ゴム栓からの溶出成分などに起因するゴーストピークにより、精確なデータが得られない場合がある。
  5. 試料注入量が多すぎると、ライナー内で気化した溶媒及び試料成分の一部がセプタムパージから流出することがある。

正解と解説

 1 広い沸点範囲をもつ試料をガスクロマトグラフに注入しても、注入する試料の組成とカラムに入る試料の組成は常に同じである。

日本産業標準調査会のページでは、JIS規格を閲覧することができます(閲覧には登録が必要です)。

 

問4 工場排水

問4

 「JIS K 0102 工場排水試験方法」に規定されている試料保存処理に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。

  1. 「100℃における過マンガン酸カリウムによる酸素消費量」の試験に用いる試料は、0℃~10℃の暗所に保存する。
  2. 「亜硝酸イオン」の試験に用いる試料は、1 Lにつき5 mLのクロロホルムを加えて0℃~10℃の暗所に保存する。
  3. 「シアン化合物」の試験に用いる試料は、水酸化ナトリウム溶液(200 g/L)を加えてpH約12として保存する。
  4. 「フェノール類」の試験に用いる試料は、りん酸を加えてpH約4とし、試料1 Lにつき1 gの硫酸銅(Ⅱ)五水和物を加えて混合し、0℃~10℃の暗所に保存する。
  5. 「クロム(Ⅵ)」の試験に用いる試料は、硝酸を加えてpH約1として0℃~10℃の暗所に保存する。

 

正解と解説

5 「クロム(Ⅵ)」の試験に用いる試料は、硝酸を加えてpH約1として0℃~10℃の暗所に保存する。

ほとんどの金属元素の試験に用いる試料の保存処理方法は、「硝酸を加えてpH約1にして保存する」ことが決められていますが、

クロム(Ⅵ)の試験に用いる場合は、「そのままの状態で0~10℃の暗所に保存」します。

ちなみに、ヒ素、アンチモン、セレンの測定や溶存状態の金属元素を測定するための試料を保存する場合には、異なる処理が必要です。

 

日本産業標準調査会のページでは、JIS規格を閲覧することができます(閲覧には登録が必要です)。

 

問5 吸光光度分析

問5

 吸光光度分析における定量法に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。

  1. 検量線法では、吸光度と分析種の濃度との関係式によって表された検量線を作成する。
  2. 標準添加法で測定される吸光度は、試料溶液による吸光度に、標準液の添加による吸光度を加えたものとなる。
  3. 検量線が曲線となる場合には、検量線法よりも標準添加法による定量が望ましい。
  4. 分析種の解離や会合は、検量線が直線にならない原因となり得る。
  5. 試料の懸濁は、測定される吸光度に影響を与える。

 

正解と解説

3 検量線が曲線となる場合には、検量線法よりも標準添加法による定量が望ましい。

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