2020年12月に実施された「第71回計量士国家試験問題」の解答と解説になります。
問題文及び解答は経済産業省のHPにある「過去の計量士国家試験問題」から引用しています。
解説は私の見解になります。解説が間違っている可能性もありますので、予めご了承ください。
どうやって勉強を進めればいいのかわからない方はこちらの記事も読んでみて下さい。
問6~10の内容は?
「化学分析概論及び濃度の計量」の問6~10の内容は以下の通りです。
- 問6 工業用水・工場排水のPFOS・PFOA
- 問7 ICP質量分析法
- 問8 排ガス中の窒素酸化物
- 問9 原子吸光分析
- 問10 排ガス中のアンモニア
問6 工業用水・工場排水のPFOS・PFOA
問6
「JIS K 0450-70-10 工業用水・工場排水中のペルフルオロオクタンスルホン酸及びペルフルオロオクタン酸試験方法」に規定されているペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)の定量に関する記述について、下線部(a)~(c)に記述した語句の正誤の組合せとして、正しいものを一つ選べ。
測定用溶液の一定量を(a)高速液体クロマトグラフタンデム質量分析計に導入し、(b)電子イオン化(EI)法を用いてペルフルオロオクタンスルホン酸及びペルフルオロオクタン酸をイオン化し、(c)選択反応検出法(SRM)を用いて測定し、検量線を用いて定量する。
- (a) 正 (b)正 (c)正
- (a) 正 (b)正 (c)誤
- (a) 正 (b)誤 (c)正
- (a) 誤 (b)誤 (c)正
- (a) 正 (b)誤 (c)誤
正解と解説
3 (a) 正 (b)誤 (c)正
正しくは(b)エレクトロスプレーイオン化(ESI)法ネガティブモード
問7 ICP質量分析法
問7
ICP質量分析法に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。
- ネブライザーとスプレーチャンバーは、それぞれ液体試料を霧状にし、粒径の小さい霧を選別する働きがある。
- インターフェース部は、プラズマで生成したイオンを、細い孔(オリフィス)を通して真空中に取り込み、質量分離部へ導く働きがある。
- イオンレンズ部は、イオンを効率よく引き出し、質量分離部へ導くとともに、妨害となる紫外光などを遮断する働きがある。
- 四重極形質量分析計は、目的元素のイオンを通過させ、目的元素と等しい質量電荷比(m/z)の妨害分子イオンを遮断する働きがある。
- 二次電子増倍管検出器によるパルス検出方式は、検出器に到達したイオンを一つずつ計数してイオンカウント数とする方法である。
正解と解説
4 四重極形質量分析計は、目的元素のイオンを通過させ、目的元素と等しい質量電荷比(m/z)の妨害分子イオンを遮断する働きがある。
問8 排ガス中の窒素酸化物
問8
「JIS K 0104 排ガス中の窒素酸化物分析方法」に規定されているザルツマン吸光光度法に関する次の記述の中から、正しいものを一つ選べ。
- 対象成分ガスは一酸化窒素のみである。
- 試料は真空フラスコ法で採取する。
- 吸光液として硫酸を用いる。
- 発色操作にはスルファニル酸ーナフチルエチレンジアミン酢酸溶液を用いる。
- 対象成分ガスはオゾン又は酸素で硝酸イオンまで酸化する。
正解と解説
4 発色操作にはスルファニル酸ーナフチルエチレンジアミン酢酸溶液を用いる。
問9 原子吸光分析
問9
「JIS K 0121 原子吸光分析通則」に規定されている分析装置に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。
- フレーム方式の原子化部の一つとして、予混合バーナーがある。
- 電気加熱方式で使用する電気加熱炉の発熱体には、黒鉛製又は耐熱金属製がある。
- 分光器は、光源から放射されたスペクトルの中から必要な分析線だけを選び出すためのものである。
- フレーム方式の分析装置において、フレーム中を通過する光束の一は、分析するすべての元素種で常に同一にする。
- 水銀専用原子吸光分析装置において、試料中の水銀を原子蒸気化する方式として、加熱気化方式と還元気化方式がある。
正解と解説
4 フレーム方式の分析装置において、フレーム中を通過する光束の一は、分析するすべての元素種で常に同一にする。
問10 排ガス中のアンモニア
問10
次の記述は、いずれも日本産業規格(JIS)に規定されている吸光光度法による排ガス中の汚染物質の分析方法に関するものである。このうち、「JIS K 0099 排ガス中のアンモニア分析方法」に規定されているアンモニアの分析方法を表すものを一つ選べ。
- 試料ガス中の目的成分を、水酸化ナトリウム溶液に吸収させて発色させる。
- 試料ガス中の目的成分を、ジエチルアミン銅溶液に吸収させて発色させる。
- 試料ガス中の目的成分をほう酸溶液に吸収させた後、インドフェノール青を生成させて発色させる。
- 試料ガス中の目的成分を、2,2′-アジノビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸)溶液に吸収させて発色させる。
- 試料ガス中の目的成分を希硫酸に吸収させた後、4,4′-ジアミノスチルベン-2,2′-ジスルホン酸溶液と臭化シアン溶液を加えて発色させる。
正解と解説
3 試料ガス中の目的成分をほう酸溶液に吸収させた後、インドフェノール青を生成させて発色させる。