環境計量士(濃度)

第71回計量士国家試験問題の正解と解説【環濃 問16~20】

2020年12月に実施された「第71回計量士国家試験問題」の解答と解説になります。

問題文及び解答は経済産業省のHPにある「過去の計量士国家試験問題」から引用しています。

 

解説は私の見解になります。解説が間違っている可能性もありますので、予めご了承ください。

 

どうやって勉強を進めればいいのかわからない方はこちらの記事も読んでみて下さい。

環境計量士とは?取得までのロードマップも解説!

 

問16~20の内容は?

「化学分析概論及び濃度の計量」の問16~20の内容は以下の通りです。

  • 問16 排ガス中のPOPs
  • 問17 環境試料の採取法
  • 問18 中和滴定
  • 問19 流れ分析
  • 問20 工場排水試験

問16 排ガス中のPOPs

問16

環境省の「排ガス中のPOPs(ポリ塩素化ビフェニル、ヘキサクロロベンゼン、ペンタクロロベンゼン)測定方法マニュアル」に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。

  1. 排ガス中のポリ塩素化ビフェニル、ヘキサクロロベンゼン、ペンタクロロベンゼンは、フィルタによるろ過捕集、吸収瓶による液体捕集(吸収捕集)及び吸着剤カラムによる吸着捕集で捕集する。
  2. ポリ塩素化ビフェニルの全209異性体が定量対象である。
  3. 試料採取に必要な器具類、材料及び試薬については、あらかじめ測定に妨害を及ぼす物質が認められないことを確認するとともに、測定対象物質のブランクについて可能なかぎり排除する必要がある。
  4. 試料ガスの採取が終了した後、試料ガス採取装置の分解は必要最低限とし、外気が混入しないようにして遮光し、試験室へ運搬する。
  5. 同定と定量は、キャピラリーカラムを用いるガスクロマトグラフと分解能が1000程度の四重極形質量分析計を用いるガスクロマトグラフ質量分析法によって行う。

正解と解説

5 同定と定量は、キャピラリーカラムを用いるガスクロマトグラフと分解能が1000程度の四重極形質量分析計を用いるガスクロマトグラフ質量分析法によって行う。

  

問17 環境試料の採取法

問17

環境試料の採取法に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。

  1. ハイボリウムエアサンプラは、大気中に浮遊する粒子状物質の捕集装置の一つである。
  2. キャニスターは、空気中の揮発性有機化合物などを測定するための採取器の一つである。
  3. ハイロート採水器は、降水試料の採取器の一つである。
  4. エクマンバージ採泥器は、水底の表層堆積物の採取器の一つである。
  5. サーバーネットは、浅い下線の底などに生息する生物の採取器の一つである。

 

正解と解説

3 ハイロート採水器は、降水試料の採取器の一つである。

 

問18 中和滴定

問18

ある量のアンモニアを0.10 mol L-1の硫酸200 mLに完全に吸収させた後、メチルレッドを指示薬にして0.10 mol L-1の水酸化ナトリウム水溶液で滴定したところ、滴定終点までの滴定量は300 mLであった。吸収させたアンモニアの体積は標準状態で何Lか。次の中から最も近いものを一つ選べ。なお、滴定終点は中和反応の当量点と一致しているものとする。また、アンモニアは理想気体であるものとし、標準状態における理想気体1 molの体積は22.4 Lとする。

  1. 0.11
  2. 0.22
  3. 0.45
  4. 0.67
  5. 0.90

正解と解説

 2 0.22

 

 

問19 流れ分析

問19

 「JIS K 0126 流れ分析通則」に規定されている流れ分析に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。

  1. 溶媒抽出、固相抽出などの抽出を、流れの中で行うことができる。
  2. 気泡分離、気体透過膜分離などの気液分離を、流れの中で行うことができる。
  3. 流路を構成する細管の材質として、ふっ素樹脂やステンレス鋼などを用いることができる。
  4. 検出器として、吸光光度検出器、誘導結合プラズマ質量分析計などを用いることができる。
  5. 分析対象成分の濃度の基準となる標準液などを用いずに、定量を行うことができる。

 

正解と解説

5 分析対象成分の濃度の基準となる標準液などを用いずに、定量を行うことができる。

 

 

問20 工場排水試験

問20

「JIS K 0102 工場排水試験方法」に規定されている懸濁物質及び蒸発残留物の試験に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。

  1. 懸濁物質とは、試料をろ過したとき、ろ過材上に残留する物質のことである。
  2. 全蒸発残留物とは、試料を蒸発乾固したときに残留する物質のことである。
  3. 溶解性蒸発残留物とは、試料を蒸発乾固させた後、残留物に塩酸を加えてろ過したとき、ろ過材上に残留する物質のことである。
  4. 強熱残留物とは、懸濁物質、全蒸発残留物及び溶解性蒸発残留物のそれぞれを600 ℃±25 ℃で30分間強熱したときの残留物のことで、それぞれの強熱残留物として示す。
  5. 強熱減量とは、強熱残留物の測定時における減少量のことで、懸濁物質、全蒸発残留物及び溶解性蒸発残留物のそれぞれの強熱現用として示す。

 

正解と解説

3 溶解性蒸発残留物とは、試料を蒸発乾固させた後、残留物に塩酸を加えてろ過したとき、ろ過材上に残留する物質のことである。

関連記事

環境計量士とは?資格取得までのロードマップも解説!

環境計量士(濃度)過去問の正解と解説

環境計量士(濃度)おすすめ参考書・問題集