環境計量士(濃度)

第71回計量士国家試験問題の正解と解説【管理 問1~5】

2020年12月に実施された「第71回計量士国家試験問題」の解答と解説になります。

問題文及び解答は経済産業省のHPにある「過去の計量士国家試験問題」から引用しています。

 

解説は私の見解になります。解説が間違っている可能性もありますので、予めご了承ください。

 

どうやって勉強を進めればいいのかわからない方はこちらの記事も読んでみて下さい。

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問1~5の内容は?

「計量管理概論」の問1~5の内容は以下の通りです。

  • 問1 計測管理
  • 問2 目的特性と代用特性
  • 問3 計測用語(1)
  • 問4 計測における単位
  • 問5 計測用語(2)

問1 計測管理

問1

「JIS Z 8103 計測用語」では、測定は「ある量をそれと同じ種類の量の測定単位と比較して、その量の値を実験的に得るプロセス」、計測は「特定の目的をもって、測定の方法及び手段を考究し、実施し、その結果を用いて所期の目的を達成させること」、また、計測管理は「計測の目的を効率的に達成するため、計測の活動全体を体系的に管理すること」と定義されている。計測管理の実施に関する次の記述の中で誤っているものを一つ選べ。

  1. 計測の計画段階では、関連部署と協力して、まず計測の目的を確認し、それが実現できるよう測定すべき対象と特性を決める。さらに、測定器、測定方法、測定条件などを含めた測定システムを適切に選択することも重要である。
  2. 計測の目的の実現に必要となる測定システムの精確さを見積もることが重要である。ただし、必要となる精確さの見積もりは計測の計画段階では行えないので、測定の実施段階で行う必要がある。
  3. 測定の実施段階では、計測の計画段階では、測定担当者が疑問なく作業ができるよう十分な詳しさで作業の方法や手順を記述しておく必要がある。
  4. 測定により得られた測定結果は、単に記録するだけでなく、関連部署と協力してそれを吟味し、その結果に基づいて、必要があれば計測の目的を実現するための対策を策定し、実行することが重要である。
  5. 校正に用いる測定標準として国家標準にトレーサビリティがとれたものを使うことにより、測定結果の普遍性を確保することができる。計測の計画段階で、使用する測定標準を決めておく必要がある。

正解と解説

2 計測の目的の実現に必要となる測定システムの精確さを見積もることが重要である。ただし、必要となる精確さの見積もりは計測の計画段階では行えないので、測定の実施段階で行う必要がある。

  

問2 目的特性と代用特性

問2

計測管理における目的特性と代用特性について述べた次の記述の中で、誤っているものを一つ選べ。

  1. 測定において、測定の目的との関連性が明白で、測定の目的を実現するため直接的に知ることが望まれる特性を目的特性という。
  2. 測定コストが高い、技術的に難しいなどの理由で、目的特性を直接的に測定することが難しいときに、目的特性の代わりに測定対象量とする特性を代用特性という。
  3. 代用特性を利用するときには、代用特性と目的特性の間に成立する関係を把握しておく必要がある。
  4. 目的特性との間に強い負の相関がある特性は、代用特性として利用することはできない。
  5. 代用特性は、目的特性とは異なる測定単位をもっていることがある。

 

正解と解説

4 目的特性との間に強い負の相関がある特性は、代用特性として利用することはできない。

 

問3 計測用語

問3

「JIS Z 8103 計測用語」に規定されている用語に関する次の記述の中から、正しいものを一つ選べ。

  1. 「次元1の量」の例として、コイルの巻数や試料中の分子の数などの事物の個数がある。
  2. 「順序尺度量」とは、大きさに従って同じ種類の他の量との順序関係を完全に決定できる量で、値の差には意味があるが、値の比には物理的に確定的な意味はない。
  3. 「影響量」とは、測定される量の値の変化に対する、測定システムの指示値の変化の比率を表す量である。
  4. 「間接測定」とは、ある組立量を、それに関連するすべての基本量の測定によって決定する測定方法である。
  5. 「名義的性質」とは、現象、物体又は物質の性質であって、一般的に数値として表される。

正解と解説

1 「次元1の量」の例として、コイルの巻数や試料中の分子の数などの事物の個数がある。

 

 

問4 計測における単位

問4

改正された計量単位令が2019年(令和元年)5月20日に施行となった。この改正には、国際単位系(SI)の七つの基本単位のうち四つについて、定義値としての基礎物理定数に基づく定義へと変わったことが反映された。定義が変わった四つの基本単位の組合せとして正しいものを次の中から一つ選べ。

  1. キログラム、アンペア、ケルビン、モル
  2. キログラム、アンペア、ケルビン、カンデラ
  3. キログラム、アンペア、秒、カンデラ
  4. キログラム、メートル、秒、モル
  5. キログラム、メートル、ケルビン、カンデラ

 

正解と解説

1 キログラム、アンペア、ケルビン、モル

 

 

問5 計測用語(2)

問5

次の記述(ア)~(ウ)は「JIS Z 8103 計測用語」で規定されている用語の定義を示したものである。それぞれの定義に該当する用語の組合せとして正しいものを、下の中から一つ選べ。

  • (ア)測定者が気付かずにおかした誤り、又はその結果求められた測定値。
  • (イ)測定値の母平均から真値を引いた値。
  • (ウ)指定された条件の下で、同じ又は類似の対象について、反復測定によって得られる指示値又は測定値の間の一致の度合い。
  1. (ア)ばらつき (イ)誤差 (ウ)精密さ
  2. (ア)まちがい (イ)誤差 (ウ)正確さ
  3. (ア)ばらつき (イ)かたより (ウ)正確さ
  4. (ア)まちがい (イ)かたより (ウ)精密さ
  5. (ア)まちがい (イ)誤差 (ウ)精密さ

 

正解と解説

5 (ア)まちがい (イ)誤差 (ウ)精密さ

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