環境計量士(濃度)

第70回計量士国家試験問題の正解と解説【環濃 問1~5】

2019年12月に実施された「第70回計量士国家試験問題」の解答と解説になります。

問題文及び解答は経済産業省のHPにある「過去の計量士国家試験問題」から引用しています。

https://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun/techno_infra/23_kakomon.html

 

解説は私の見解になります。解説が間違っている可能性もありますので、予めご了承ください。

 

どうやって勉強を進めればいいのかわからない方はこちらの記事も読んでみて下さい。

環境計量士とは?取得までのロードマップも解説!

 

問1~5の内容は?

「化学分析概論及び濃度の計量」の問1~5の内容は以下の通りです。

  • 問1 pH測定方法
  • 問2 濃度計算
  • 問3 ガスクロマトグラフィー
  • 問4 イオンクロマトグラフィー
  • 問5 吸光光度法

問1 pH測定方法

問1

「JIS Z 8802 pH測定方法」に関する次の記述の中から、正しいものを一つ選べ。

  1. pH標準液は、使用前に大気中に開放して、しばらく放置した後に使用する。
  2. 検出部の洗浄は水で行うが、特に汚れている場合には、必要に応じて洗剤, 0.1 mol/L 塩酸などで短時間洗い、更に流水で十分に洗う。
  3. pH値が11以上の測定に対しては、通常のガラス電極ではアルカリ誤差を生じ、その測定値が高く出るおそれがある。
  4. pH計のゼロ校正は、二酸化炭素を除いた水に検出部を浸して行う。
  5. トレーサビリティが必要な場合には、3種類以上のpH標準液を使用して校正を行わなければならない。

 

正解と解説

2 検出部の洗浄は水で行うが、特に汚れている場合には、必要に応じて洗剤, 0.1 mol/L 塩酸などで短時間洗い、更に流水で十分に洗う。

  

  1. 間違い。pH標準液は、一度使用したものや大気中に開放して放置したものは使用してはならない。
  2. 正しい。検出部の洗浄は水で行うが、特に汚れている場合には、必要に応じて洗剤, 0.1 mol/L 塩酸などで短時間洗い、更に流水で十分に洗う。
  3. 間違い。「高く」ではなく、「低く」出るおそれがある。
  4. 間違い。「水」ではなく、「中性りん酸塩pH標準液」に検出部を浸して行う。
  5. 間違い。「3種類以上のpH標準液」ではなく「認証pH標準液」を使用して校正を行わなければならない。

日本産業標準調査会のページでは、JIS規格を閲覧することができます(閲覧には登録が必要です)。

 

問2 濃度計算

問2

濃硫酸(H2SO4の質量分率95.0%、密度1.84 g/mL)を水で希釈し、3.00 mol/Lの硫酸水溶液を正確に500 mL調製する際に要する濃硫酸の量として、最も近いものを次の中から一つ選べ。ただし、温度変化による体積変化はないものとし、H2SO4のモル質量は98.0 g/molとする。

  1. 76 mL
  2. 80 mL
  3. 84 mL
  4. 160 mL
  5. 168 mL

 

正解と解説

3 84 mL

 

問3 ガスクロマトグラフィー

問3

「JIS K 0114 ガスクロマトグラフィー通則」に規定されているガスクロマトグラフの試料注入法に関して、次の記述の中から誤っているものを一つ選べ。

  1. スプリット注入法では、試料導入部に設けた分岐によって、注入気化した試料の一部をカラムに導入する。
  2. スプリットレス注入法では、注入気化した試料のほぼ全量がカラムに移送された段階で、気化室に残存する溶媒などをスプリット出口から系外に排出する。
  3. 直接注入法では、試料を加熱した気化室で瞬間気化させた後、カラムへ全量導入する。
  4. コールドオンカラム注入法では、試料溶媒の沸点以上に保った注入口を通してカラムに直接試料を導入する。
  5. ガラスウールまたは石英ウールをライナーに入れる目的の一つは、試料の均一な気化を促すことである。

正解と解説

4 コールドオンカラム注入法では、試料溶媒の沸点以上に保った注入口を通してカラムに直接試料を導入する。

 

問4 イオンクロマトグラフィー

問4

イオンクロマトグラフ法による陰イオンの定量において、下図のクロマトグラムが得られたとき、「JIS K 0102 工場排水試験方法」で規定されている分離度Rを表す式として、正しいものを一つ選べ。ただし、第1ピークの保持時間(s)をtR1、第2ピークの保持時間(s)をtR2、第1ピークのピーク幅(s)をW1、第2ピークのピーク幅(s)をW2とする。

 

正解と解説

 

問5 吸光光度法

問5

Lambert-Beerの法則において、他のパラメーターが一定の場合、常に成り立つ関係として、正しいものを一つ選べ。

  1. 入射光の強度が2倍になると、吸光度は2分の1になる。
  2. 測定対象成分の濃度が2倍になると、透過率は2分の1になる。
  3. 透過率が2倍になると、吸光度は2倍になる。
  4. モル吸光係数が2倍になると、同じ吸光度を得るために必要な光路長は2倍になる。
  5. 吸光セルの光路長が2倍になると、吸光度は2倍になる。

 

正解と解説

5 吸光セルの光路長が2倍になると、吸光度は2倍になる。

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