2019年12月に実施された「第70回計量士国家試験問題」の解答と解説になります。
問題文及び解答は経済産業省のHPにある「過去の計量士国家試験問題」から引用しています。
https://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun/techno_infra/23_kakomon.html
解説は私の見解になります。解説が間違っている可能性もありますので、予めご了承ください。
どうやって勉強を進めればいいのかわからない方はこちらの記事も読んでみて下さい。
問16~20の内容は?
「化学分析概論及び濃度の計量」の問16~20の内容は以下の通りです。
- 問16 排ガス中のホルムアルデヒド分析
- 問17 公定法
- 問18 不確かさ
- 問19 流れ分析
- 問20 試薬の調製方法
問16 排ガス中のホルムアルデヒド分析
問16
「JIS K 0303 排ガス中のホルムアルデヒド分析方法」に規定されている、ホルムアルデヒド標準液の濃度の求め方に関する次の記述の(ア)~(ウ)に入る語句の組合せとして、正しいものを一つ選べ。
ホルムアルデヒド標準液(1 mg/mL)10 mLを共通すり合わせ三角フラスコ200 mLにとり、0.05 mol/Lよう素溶液10 mL及び(ア)溶液(1 mol/L)5 mLを加え、15分間室温に放置する。(イ)(1 mol/L)8 mLを加え、残留しているよう素を直ちに0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し、溶液が(ウ)色になってから、でんぷん溶液(5 g/L)1 mLを指示薬として加え、更に滴定する。別に水10 mLを用いて空試験を行う。
- (ア)水酸化カリウム (イ)硫酸 (ウ)淡黄
- (ア)水酸化カリウム (イ)アスコルビン酸溶液 (ウ)青紫
- (ア)水酸化カリウム (イ)アスコルビン酸溶液 (ウ)淡黄
- (ア)過酸化水素 (イ)アスコルビン酸溶液 (ウ)青紫
- (ア)過酸化水素 (イ)硫酸 (ウ)淡黄
正解と解説
1 (ア)水酸化カリウム (イ)硫酸 (ウ)淡黄
日本産業標準調査会のページでは、JIS規格を閲覧することができます(閲覧には登録が必要です)。
問17 公定法
問17
公定法で試験法が規定されている試験対象と、その試験法で使用される試料容器の材質との組合せとして、誤っているものを一つ選べ。
- (公定法で試験法が規定されている試験対象)用水・排水中の揮発性有機化合物(JIS K 0125) (試料容器の材質)ガラス
- (公定法で試験法が規定されている試験対象)工業用水・工場排水中のPCB(JIS K 0093) (試料容器の材質)ガラス
- (公定法で試験法が規定されている試験対象)工業用水・工場排水中のダイオキシン類(JIS K 0312) (試料容器の材質)ガラス
- (公定法で試験法が規定されている試験対象)公共用水域のアルキル水銀(環告第59号) (試料容器の材質)硬質ポリエチレン
- (公定法で試験法が規定されている試験対象)排水中のノルマルヘキサン抽出物質(環告第64号) (試料容器の材質)ポリエチレン
正解と解説
5 (公定法で試験法が規定されている試験対象)排水中のノルマルヘキサン抽出物質(環告第64号) (試料容器の材質)ポリエチレン
問18 不確かさ
問18
ある成分の濃度が1000 mg/Lである標準液1 mLを全量ピペットで採取し、全量フラスコを用いて水で100 mLに希釈した。このとき、希釈後の標準液の濃度(10 mg/L)について、最も大きな寄与を持つ不確かさの要因を次の中から一つ選べ。ただし、次の1~5以外の要因は無視できるものとする。
- 希釈前の標準液の濃度(1000 mg/L)。ただし、その拡張不確かさ(k=2)は6 mg/Lとする。
- 全量ピペットの容積(1 mL)。ただし、その標準不確かさは0.004 mLとする。
- 全量フラスコの容積(100 mL)。ただし、その標準不確かさは0.004 mLとする。
- 分析者の希釈操作に伴う調製濃度のばらつき。ただし、その分析者が同じ希釈操作を繰り返したときの調製濃度のばらつきは、標準偏差の相対値で0.1%とする。
- 希釈に使用した水に含まれている対象成分。ただし、その濃度は0.17 μg/L以下とする。
正解と解説
2 全量ピペットの容積(1 mL)。ただし、その標準不確かさは0.004 mLとする。
問19 流れ分析
問19
流れ分析に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。
- 流れ分析は、「JIS K 0102 工場排水試験方法」において、有機物と無機物の両方の分析で採用されている。
- フローインジェクション分析は、細管内の流れを気体で分節することで、試料と試薬とを効率よく混合することを特徴とする。
- 連続流れ分析では、送液部にペリスタルティック(ペリスタ形)ポンプを用いることができる。
- フローインジェクション分析では、吸光度以外を測定する検出器も用いることができる。
- 連続流れ分析では、分液対象成分に相当する応答曲線のピーク高さを用いて定量を行うことができる。
正解と解説
2 フローインジェクション分析は、細管内の流れを気体で分節することで、試料と試薬とを効率よく混合することを特徴とする。
問20 試薬の調製方法
問20
「JIS K 0050 化学分析方法通則」に従って硝酸(1 + 10)を調製する手順として、次の記述の中から正しいものを一つ選べ。
- 硝酸(質量分率60%~61%)10gに純水を加えて総質量を100gとした。
- 硝酸(質量分率60%~61%)10mLと純水100mLを混合した。
- 硝酸(質量分率69%~70%)10gに純水を加えて総質量を100gとした。
- 硝酸(質量分率69%~70%)10mLと純水100mLを混合した。
- 硝酸(質量分率69%~70%)10gと純水100gを混合した。
正解と解説
2 硝酸(質量分率60%~61%)10mLと純水100mLを混合した。