2019年12月に実施された「第70回計量士国家試験問題」の解答と解説になります。
問題文及び解答は経済産業省のHPにある「過去の計量士国家試験問題」から引用しています。
「e-Gov法令検索」では法令の全文を閲覧することができます。
解説は私の見解になります。解説が間違っている可能性もありますので、予めご了承ください。
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問1~5の内容は?
「計量管理概論」の問1~5の内容は以下の通りです。
- 問1 計測用語
- 問2 計測管理(1)
- 問3 計測管理(2)
- 問4 国際単位系
- 問5 測定誤差
問1 計測用語
問1
「JIS Z 8103 計測用語」で定義されている用語「計測」、「計量」、および「測定」に関する次の(ア)から(ウ)の記述について、記述内容の正誤の組合せとして正しいものを、下の1から5の中から一つ選べ。
(ア)計測とは、特定の目的をもって、測定の方法及び手段を考究し、実施し、その結果を用いて所期の目的を達成させることである。
(イ)計量とは、社内的に取り決めた測定標準を基礎とする計測のことである。
(ウ)測定とは、ある量をそれと同じ種類の量の測定単位と比較して、その量の値を実験的に得るプロセスのことである。
- (ア)正 (イ)正 (ウ)正
- (ア)正 (イ)正 (ウ)誤
- (ア)正 (イ)誤 (ウ)正
- (ア)誤 (イ)正 (ウ)誤
- (ア)誤 (イ)誤 (ウ)正
正解と解説
3 (ア)正 (イ)誤 (ウ)正
問2 計測管理(1)
問2
計測管理について述べた次の文章のうち、(ア)から(ウ)の空欄にあてはまる語句の組合せとして正しいものを、下の1から5の中から一つ選べ。
計測管理とは、「計測の目的を効率的に達成するため、計測の活動全体を体系的に管理すること」(「JIS Z 8103 計測用語」)である。その中では、計測の活動の中核である測定を確実に行うために、測定の計画において、計測の目的に合わせて測定すべき対象と測定すべき特性を選択し、測定方法、測定条件及び測定器の選定などを適切に行うことが必要である。また、測定器をトレーサビリティの確保された測定標準によって校正することにより、測定結果の(ア)を確保することができる。さらに、測定結果の不確かさを評価することにより、測定の(イ)を定量的に知ることができる。最後に、測定の実施により得られた結果を評価し、関連する部署と共に、対策を決め、それを実施することによって計測の目的が達成される。このことによって、計量法第1条に規定された計量法の目的である「経済の発展及び(ウ)の向上に寄与すること」ができる。
- (ア)普遍性 (イ)信頼性 (ウ)文化
- (ア)独自性 (イ)真度 (ウ)技術
- (ア)独自性 (イ)真度 (ウ)文化
- (ア)独自性 (イ)信頼性 (ウ)技術
- (ア)普遍性 (イ)真度 (ウ)文化
正解と解説
1 (ア)普遍性 (イ)信頼性 (ウ)文化
問3 計測管理(2)
問3
計測管理に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。
- 計測管理では、生産現場で使用される測定器の管理だけでなく、計測の目的に沿った測定の計画から実施・活用までの一連の活動を体系的に管理する。
- 計測の目的にしたがって測定すべき特性を決めるとき、その特性は法律に定められたものだけが対象になるとは限らない。
- 計測管理では、測定結果の信頼性を向上させるだけでなく、測定結果の活用に取り組むことが重要である。
- 生産における計測には、研究開発・設計・製造準備等で行われるオフライン計測と、製造現場における工程で実施されるオンライン計測がある。
- 企業内の研究開発のために実施される測定では、国際規格または日本産業規格(JIS)で定められた測定機器と測定方法を選択する必要がある。
正解と解説
5 企業内の研究開発のために実施される測定では、国際規格または日本産業規格(JIS)で定められた測定機器と測定方法を選択する必要がある。
問4 国際単位系
問4
国際単位系(SI)に関する次の記述の中から、正しいものを一つ選べ。
- SIにおける基本量は質量、電流、熱力学温度、物質量の四つから構成される。
- SI基本単位に対する正式な定義は国際度量衡総会(CGPM)によって採択される。
- 電流を表すSI基本単位はV(ボルト)である。
- 熱力学温度を表すSI基本単位は℃(セルシウス度)である。
- 固有の名称と記号を持つSI単位はSI基本単位である。
正解と解説
2 SI基本単位に対する正式な定義は国際度量衡総会(CGPM)によって採択される。
問5 測定誤差
問5
測定誤差に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。
- 測定誤差とは、測定値から真の値を引いた値であり、その符号も含まれる。
- 総合誤差とは、種々の要因によって生じる誤差成分のすべてを含めた総合的な誤差である。
- ばらつきとは、測定値がそろっていないこと、又はふぞろいの程度である。
- 偶然誤差とは、反復測定において、予測が不可能な変化をする測定誤差の成分である。
- 繰返し性とは、異なる測定場所、異なるオペレータ、異なる測定システム、及び同一又は類似の対象についての反復測定の精密さである。
正解と解説
5 繰返し性とは、異なる測定場所、異なるオペレータ、異なる測定システム、及び同一又は類似の対象についての反復測定の精密さである。