2019年12月に実施された「第69回計量士国家試験問題」の解答と解説になります。
問題文及び解答は経済産業省のHPにある「過去の計量士国家試験問題」から引用しています。
解説は私の見解になります。解説が間違っている可能性もありますので、予めご了承ください。
どうやって勉強を進めればいいのかわからない方はこちらの記事も読んでみて下さい。
問1~5の内容は?
「化学分析概論及び濃度の計量」の問1~5の内容は以下の通りです。
- 問1 工場排水試験方法
- 問2 pHの計算
- 問3 ガスクロマトグラフ法
- 問4 イオンクロマトグラフ法
- 問5 吸光光度法
問1 工場排水試験方法
問1
「JIS K 0102 工場排水試験方法」に規定されているイオン電極法を用いた塩化物イオンの定量に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。
- 参照電極には、外筒液に硝酸カリウム溶液を用いた二重液絡形の銀ー塩化銀電極を用いる。
- 測定容器には、ガラス製のものが使用できる。
- 酢酸塩緩衝液の添加によって、pH約5に調節し、イオン強度を一定にする。
- この方法では、硫化物イオンなどが妨害する。
- 同じJISに規定されているイオンクロマトグラフ法よりも、低濃度域の定量に適用できる。
正解と解説
5 同じJISに規定されているイオンクロマトグラフ法よりも、低濃度域の定量に適用できる。
問2 pHの計算
問2
濃度1.0×10-7 mol/Lの塩酸のpH値として最も近いものを次の中から一つ選べ。ただし、塩酸は完全解離しているものとし、塩酸中のイオンはH+, Cl–, OH–の3種類しか存在しないものとする。また、水のイオン積は1.0×10-14 mol2/L2, √5=2.2, log102=0.3とする。
- 6.0
- 6.4
- 6.8
- 7.0
- 7.4
正解と解説
3 6.8
問3 ガスクロマトグラフ法
問3
ガスクロマトグラフの検出器と測定時に用いるガス(キャリヤーガス、付加ガス、燃料ガス又は助燃ガス)との組合せとして、誤っているものを一つ選べ。
- (検出器) 電子捕獲検出器(ECD) (測定時に用いるガス) 塩素
- (検出器) 水素炎イオン化検出器(FID) (測定時に用いるガス) 空気
- (検出器) 炎光光度検出器(FPD) (測定時に用いるガス) 水素
- (検出器) 熱イオン化検出器(TID) (測定時に用いるガス) 空気
- (検出器) 熱伝導度検出器(TCD) (測定時に用いるガス) ヘリウム
正解と解説
1 (検出器) 電子捕獲検出器(ECD) (測定時に用いるガス) 塩素
問4 イオンクロマトグラフ法
問4
「JIS K 0102 工場排水試験方法」に規定されているイオンクロマトグラフ法を用いるイオンの分析に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。
- ふっ化物イオンを分析する場合には、試料採取後直ちに試験を行う。直ちに行えない場合には0℃~10℃の暗所に保存し、できるだけ早く試験する。
- 亜硝酸イオンの分析には、紫外吸収検出器を用いることができる。
- 電気伝導度検出器を用いる場合には、陽イオンを分析することができない。
- サプレッサー方式による陰イオンの分析では、サプレッサーに陽イオン交換膜を用いることができる。
- 硫酸イオンの定量において、硫化物イオンは定量誤差の原因になる。
正解と解説
3 電気伝導度検出器を用いる場合には、陽イオンを分析することができない。
問5 吸光光度法
問5
「JIS K 0115 吸光光度分析通則」に規定されている吸光光度法に関する次の記述の中から、正しいものを一つ選べ。
- 低圧水銀ランプからの輝線は、分光光度計の波長目盛の校正に用いられる。
- タングステンランプは、主として紫外波長範囲の測定で光源として用いられる。
- ほうけい酸ガラス製の吸収セルは、石英ガラス製のものに比較して紫外波長範囲での測定に適している。
- 標準添加法は、吸光光度法では用いることができない。
- モル吸光係数は、試料を透過した光の強度と、透過前の光の強度との比を常用対数で表した数値である。
正解と解説
1 低圧水銀ランプからの輝線は、分光光度計の波長目盛の校正に用いられる。
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